Diversity interview
子供を連れてブラジルへ。
機会提供に性別は関係ありません。
事務所のドアを開けると、すぐに工場があって、近くのパラナグアの港に行けば輸出前の完成車が整然と並んでいる。
入社以来、海外営業一筋で海外出張も頻繁にありましたが、現地のマーケットを肌で感じながら仕事をしてみたい、というのはずっと抱いていた希望。それが叶ったのは、2 人目の子供が生まれて1 年が経ったころ、2005 年のことでした。夫も日産の同期入社でしたが、私と同様、海外出張が多かったせいか、上の子は「どっちかが海外赴任したら、僕もついていくから」と渡航する気満々。下の子を連れていくかは、正直、迷いました。ただ、日本人学校もない街で、上の子が日本語で話せる機会は家しかない、それなら、兄妹は離さない方がいいんじゃないか。それに、いつも子育てを分担してくれていた夫も、ひとりの方が思いっきり仕事 に専念できるし。ま、ちょっと寂しかったと思いますが(笑)。
海外赴任のチャンスは、ルノーとの協業プロジェクトで、ブラジルでの工場設立、子会社の立ち上げなどを日本側の事務局としてプロジェクトマネジメントをした経験と、ポルトガル語を話せたからでしょうか? なによりも、フランス人の30 代の部長が1歳児を持つ私をプロジェクトメンバーに加えてくれたのがきっかけだと思います。
赴任すると、上司はアメリカ人、メキシコ人、フランス人、部下はブラジル人、そして私はマネージャーになりたて。かなり鍛えられました(笑)。でも、海外の現地法人の立場に立って、日本の本社を視る、というのは得難い経験でした。それに、働く時間の長さじゃなく、成果を大切にする働き方なので、みんな家族との時間を大切にしていて、働き方もメリハリがある。私の中ではターニングポイントとなる経験でした。ダイバーシティを強みに変える、日産がそう決めたのは、日本人が日本人のやり方だけでやっていたのでは、世界では勝てないから。そういう考え方を持った人が、組織をマネージする世代になってきていることは、これからの日産の強みになると思います。
小林 千恵
生産企画統括部 生産管理部 生産計画課 主管
海外事業のマーケティング&セールスを通算で23年経験、その内ブラジルへ2年間の海外赴任。ダイバーシティ推進室長、IPプロモーション部長等を経て現職。プライベートでは、2児の母。