Diversity interview
夫がイギリスに異動。
その時の選択も、いまは糧になっています。
「仕事はいつでもできるけど、いましか子育てする時間はないよね」、看護師としてずっと働き続けてきた母からもらった一言は、自分にとって意外でした。同じ日産で働いている夫がイギリスへの転勤が決まった時、私の頭に浮かんだのは、夫の単身赴任。ただ、小学校5 年生になる子供が「僕もお父さんと一緒に行きたい!」と。さすがに父親と子供だけ、では可哀そうで、その一言で、家族でイギリスに移住する決心をしました。
ただ、その頃は、自分のキャリアをつくる中で、エンジニアとして昇進のチャンスが目の前にあったタイミングでした。上司からも期待をされていましたし、仕事も充実していた中なので、後ろ髪を曳かれる思いがあったのは事実。幸い日産には帯同休職制度(※)があるのは知っていたので、日本に帰国したら、復職するつもりでしたが、「キャリアが後退しちゃったなぁ」と感じました。それでもイギリスにいた時に、他の企業で夫の異動に伴って退職してこられた女性の方たちからは、帯同休職制度を羨ましがられましたから、戻る場所があって希望の仕事が続けられること自体は、ラッキーだったのかもしれません。あ、ちなみにこの制度、夫も使えるので、次は私が海外転勤になったら、あなたが休んでいいわよ、と言ってあります(笑)、本当に。
エンジニアとしてのキャリア選択も上司に希望を聞いてもらいながら、自律的につくってきました。子育て中でも仕事を存分にやることが、自分が毎日ストレスなく過ごすには大切なことでした。そんな中での休職は、自分を一度リセットして、新しい気持ちで自分のキャリアをつくっていく機会になったと思います。いま、私のグループは7人中6 人が女性。 エンジニアの組織にしては、女性が多い。まだ若い彼女たちを仕事で一人前にすると同時に、ライフイベントがきた時に、仕事が続けられるようにキャリアをサポートすることも、これからの私の仕事だと思っています。
※配偶者海外赴任帯同休職制度:配偶者の海外赴任を理由に3 年を上限として会社が休職を認める制度(2010 年より導入)
深川 小百合
Infiniti 製品開発本部 Infiniti 製品開発部
HMI 内装計画・設計グループ
アシスタントマネージャー
1998年入社。外装設計等のエンジニアを経て、現在はHMI(Human MachineInterface)内装計画に携わる。2003年に1年間の育休取得、2015年に1年半休職後に現職。
FROM STAFF
森 達朗
Infiniti 製品開発本部 Infiniti 製品開発部 HMI 内装計画・設計グループ 主管 (兼)プラットフォーム・ 車両要素技術開発本部 内外装技術開発部 LoB 開発グループ 主管
アメリカに6 年ほどいましたが、出産予定日の2 週間前まで働いて、出産3 週間後には職場に復帰する、そんな働き方をしている女性を何人も見てきました。もちろん彼女たち自身が望んで。女性のキャリアの選び方も、多様です。過剰な配慮が、成長を阻んだり、本人の意に沿わないこともある。一方で、子育てに集中したい時期もある。 その振れ幅の中で、キャリアの色々なグラデーションが生まれていくこと、キャリアを自分で選んで行ける道をつくっていくことが大切だと思っています。