
どんな学生でしたか?
学部時代はテニス部で練習に明け暮れていました。上級生になれば部を引っ張る立場となり、ロジカルにモノを伝え、時には感情的に人を動かす難しさを学びました。今振り返れば、心は熱く頭は冷静に、のマインドセットを醸成できた良い機会であったと思います。
アウトドア色の強かった学部時代と対照的に、大学院では研究に没頭する日々でした。論文や専門書から得た知識ももちろん財産ですが、学会や発表会を経てロジカルにモノを考える力を養うことができたのは大きな成果だと思います。副次的に、アイディアをロジックに破たんがないようにまとめる力=人へ説明する力が身に着くのを実感した学生生活でした。
日産に入社を決めたきっかけは何ですか?
漠然と学生のころから、日本のモノづくり技術で世界を支えたい、という思いがありました。中でも自動車は我が国の誇る巨大産業の一つで、街中でも身近な存在である上に、運転することで愛着も湧く。そのような理由からこの業界に興味がありました。
昨今は電動化/知能化に代表されるように、自動車業界は過渡期を迎えています。就活を進めていくうちに、その変化に伴って新たな仕事が生まれることや、様々な分野の知識を持つチームが必要になることを知りました。現在私のいる部署は、それを体現していると思います。誰もやってこなかったことを、自分で道を作りながら進む部署だと説明を受け、非常に魅力を感じたことを覚えています。
仕事について教えてください。
会社のビジョンは“人々の生活を豊かに”ですが、サプライヤエンジニアリングは“サプライヤ”と“品質”の視点からアプローチします。実は自動車1台を構成する部品のほとんどは、世界中のサプライヤ(=部品メーカー)が作っています。数あるサプライヤのうち、高品質を安定して供給できる能力をもつサプライヤを見極める、もしくは支援を行って技術を向上させ、取引機会を増やすことが私たちの役目です。特に量産を始めている部品の品質改善は、サプライヤの経営層を交えて活動を進める必要があります。国内外を問わず、若手のうちから経営層に直接改善の働きかけを行うことが求められる、非常にチャレンジングな環境です。
あなたの仕事のやりがいを教えてください。
私がやりがいを感じるのは、成長を実感するときです。
部署の性格上、国内外のサプライヤとコミュニケーションする機会がとても多くあります。時には若手でありながら1人で現地に赴き、現地の人々を巻き込んで改善活動を進めることも求められます。会社を代表する立場のため、ディレクションには大きな責任が伴います。
したがって知識をしっかりと身に着けて臨むことが必要です。設計/生産技術/品質保証の知識、あるいは現場マネジメントなど、社内のあらゆる有識者に聞きまわる、もしくは自分でじっくり検証しながら準備を行います。
同時に人を動かす力も非常に大切です。言語や文化が違えば、自分の思いを100%伝えることは容易ではありません。グローバルで通用するコミュニケーション力は、実用で初めて培われるスキルだと思います。
責任やプレッシャーを感じつつ四苦八苦しながらも現地の人々を巻き込んで活動を進め、品質改善が目に見える形で現れたときは、大きな充実感を味わうとともに自分の成長を感じ、次のステップへのモチベーションが高まります。
