interview
中井 拓也Takuya Nakai
AD/Connectivity & Software Parts Purchasing Group
Senior Manager
2014年中途入社 | 商学部
※所属は取材当時のものです
自由にチャレンジできる環境を求めて
日産を選択したと聞きました。
前職は部品メーカーの営業。今の購買の立場とは逆の、サプライする側でした。いつかは自動車メーカーで働きたいというシンプルな想いがずっとあり、転職に踏み切りました。前職で2年間、ベルギーへの海外赴任を経験しましたが、グローバルに仕事をする面白さに強烈に惹かれて、グローバル企業として多様性を尊重するカルチャーがある日産を選択しました。
入社し、一番驚いたのは仕事の進め方です。前職は日本がグローバルヘッドクォーターで、海外の拠点に対して日本のやり方を浸透させていく進め方。対して日産の場合、各拠点と完全にフラットな立場で互いに尊重し、積極的に意見をぶつけ合いながら仕事を進めていきます。もちろん国によって文化や考え方が違うため、議論を重ね着地点を目指す進め方に最初はとても戸惑いました。しかし、自分一人で考え生み出せる結果よりも、違う文化、違う考えを聞き、ブレイクスルーするほうがとても大きな結果が得られ、前職では得られなかった面白さを体感しています。
困難な状況に直面し、
マインドセットした経験が
あったそうですね?
自動ブレーキ、プロパイロットが多くのユーザーから高い評価をいただき、グローバルに需要が急拡大した裏側で、センサーに使用する電子部品の供給が追い付かず、中国の需要1年間分の自動ブレーキ付き車種が製造できなくなるリスクに直面したことがあります。センサーサプライヤー工場はアメリカとUK、電子部品メーカーは日本、日産の工場は中国とグローバルにまたがる複雑なサプライチェーンでしたが朝と夜はUSと、昼は中国と日本、夕方はUKとつないで対策会議を行い、日系電子部品メーカーと供給交渉、さらにUSセンサーサプライヤーの中国工場立ち上げをすべて同時並行で対応し生産体制を整え、結果、無事に遅れることなくタイムリーにユーザーへ納車することができました。 非常に困難な状況に直面し、もし「やらなければ」「やるべきだ」というマインドで臨んでいたら、気持ち的に成し遂げることはできなかったと思います。自分が欲しいと思った車が「納車までに1年かかります」と言われたら、非常に悲しい気持ちになる。自分だったら嫌だ、絶対に「何とかしたい」というマインドに自然とスイッチしていました。「Should, Have to」ではなく「Want to」という気持ちが自分にあったからこそ最後まで成し遂げることができましたし、多くの関係者の協力を得ることができたのだと思います。
これまで取引のなかった業界が
サプライヤーとなる機会が増えていると
聞きました。
現在はe-パワートレイン用電子部品の半導体調達選定に携わっています。以前、AD/ADAS(先進安全・自動運転部品/補助部品)バイヤーを担当していたことから私にチーム立ち上げの白羽の矢が立ちました。
現在、CASEが開発の主流となり、様々な先進技術を実現するために電子部品の搭載率が上がっていますが、高機能化と低価格化の両立はお客様にとって最重要ファクターです。そのため、これまで自動車業界に縁のなかった業界や企業との交渉や新しい調達の仕組みづくりにチャレンジしています。日々、自動車業界と異なる文化や異なる考え方に直面しますが、フランスにいるチームと共同して新しい困難に立ち向かっています。
今後の電動化・自動化の発展を担う上で、半導体調達の仕組みづくりは非常に重要なミッションです。正直、最初はその責任の重さに躊躇することもありましたが、日産の競争力向上を大きな目標として掲げ、「何とかしたい」という強い想いで、ひたすら前を向いて一歩一歩前進している真っ最中です。
今後の目標を教えてください。
今、自動車業界は大きな変化に直面しています。これまでの経験を通じて、「従来通りの仕組みだけでは生き残っていけない」という強い危機感を抱くようになりました。今後、電動化・自動化という最先端領域にチャレンジしていくためには、おそらくロジカルな考えだけでは通用しないでしょう。「この人のためだったら頑張れる」「この人についていきたい」と、「want to」の動機をつくれる牽引者が求められていると感じています。そして自分自身も人間力を磨き、心は情熱的に、行動はロジカルに、楽しんで困難に立ち向かい、牽引者の一人としてロールモデルを築いていきたいと思います。
MY FAVORITE TIME
卓球
できるだけ身体を動かすことで心と身体をリフレッシュしています。大学時代は卓球部で、社会人になった今も週末に続けています。中国拠点の方と卓球したり、AD/ADASチームではフランス人上司が来日した際に会社の体育館で卓球をしました。中国出張時には卓球する予定がなくても必ずラケットは持って行きます(笑)