
どんな学生でしたか?
大学院では心理臨床家を育成する課程にいたので、精神科の閉鎖病棟や外来で検査を取るインターンをしていました。それぞれの人生に色んな側面があったはずなのに、心を病んでしまう前に何とかできなかったものか・・・との思いを抱かずにいられませんでした。そんな中で、人が健やかに生きる仕組みを作り支えることに関心を持ったことが、人事の仕事に興味を持ったひとつのきっかけです。
日産に入社を決めたきっかけは何ですか?
「中間管理職が悩みを抱えていたら、どうしたらいいと思う?」という質問を二次面接で聞かれたことを覚えています。私のバックグラウンドが心理学だったからかもしれませんが、そうやって社員への細やかなサポートを考えようとしている所がいいなと思いました。面接を通して、会社や社員のことを考え、行動する人事の姿勢を垣間見たことが決め手でした。
仕事でうれしかったことは何ですか?
日産には25万人近くの社員が働いていて、たくさんの海外拠点があります。世界中にある拠点の特性を踏まえ、適切な社員数を計画し、個人の役割に応じた適切な給与を考え、経営層に提案する仕事を行っていました。私は入社5年目に、アフリカ、中東、インド地域の組織をより活性化するというタスクを担って、2年間インドで仕事をすることになりました。
中でも一番手を焼いたのが南アフリカでした。なかなか情報の精度が上がらなかったため、私が駐在していたインドへ来てもらい、2日間の集中ディスカッションを行いました。課題と解決策の洗い出しを行うスケジュールを組んでいたのですが、何度も議論が脱線したため、ホワイトボードを真っ黒にしながら相手の話を引き出し、何とか改善策まで辿り着きました。最後はくたくたでしたが、同席してくれたインド人の同僚が「議論の進め方が自分にとってもよい学びになった」と言ってくれた事がとても嬉しかった事を覚えています。
海外で仕事をするときのポイントを教えてください。
インド駐在時、私自身がインド流のスケジュール(=時間がない!)のなかで結果を出すことを求められるような場面がありました。日本では考えられないような納期でしたが、こういうときに「出来ない」と言わない事もインド流だと思っていたので、必死に仕上げました。日産は日本の会社ですが、日本の良いところを大事にしつつも異文化を受け入れること、その両方のバランスを取りながら仕事を進めていくことが必要だなと感じています。
