Interview
猪口 幸大郎Kotaro Inokuchi
DX推進本部
デジタルトランスフォーメーション推進部
シニアマネジャー
2018年中途入社
※所属はインタビュー当時の内容です。
現在の仕事・ミッションを教えてください
グリーントランスフォーメーション関連プロジェクト
日産は気候変動やエネルギー問題への対応をはじめとした持続可能性に関する幅広い取り組みを行い、化石燃料依存からの脱却に向けたビジネス構造の変革であるグリーントランスフォーメーション(GX)を推進しています。
これらの取り組みに対して目標値を設定し、達成度を可視化するには必ずデータが必要になります。そして、そのデータは自社だけでなく、サプライヤーを含む多くのステークホルダーや公的機関のデータなど多岐にわたります。例えば、1台のクルマの製造にかかる二酸化炭素の排出量を計算しようとすれば、数万点の部品のサプライヤーすべてからデータを収集する必要があります。私たちは、これらの複雑に絡み合ったデータを、秘匿性を保ちつつ、いかに効率的にグローバルレベルで収集・計算・分析・開示できるかを検討しています。
仕事で大切にしていることは何ですか?
ALWAYS THINK OF THE CUSTOMER
Nissan Wayのひとつである「ALWAYS THINK OF THE CUSTOMER」を心掛けています。社内外に関わらず、仕事には必ずお客さまが存在します。お客さまが何に困っているか、いつまでに何が必要か、プロジェクトが完了すると誰がどう嬉しいのかーーを常に意識しながら仕事をしています。
今のプロジェクトではGXを推進するビジネス部門を「お客さま」としてデジタル面から支えていくのがミッションになりますし、DXプロモーション活動に携わっていた時には、世の中の人々が何を求めているかを意識する必要がありました。IT関連の業務で陥りがちな「手段の目的化」にならないためには、常にゴールと期限を意識することが大切だと考えています。
仕事のやりがいを感じることは?
ユーザー部門で活用され、成果につながった時
自分たちの開発したシステムやアプリケーションが実際にユーザー部門で活用され、工数削減や増販などの成果につながった時には満足感を感じます。私が入社して最初に携わったデータのビジュアライゼーションツール導入プロジェクトでは、当時の日産では経験が少なかったアジャイル開発を採用し、成功を収めることができました。役員層にも高く評価されたプロジェクトです。
また、情報システム部門は直接クルマづくりに関わる組織ではないとはいえ、以前、車両開発時における試験データの解析などを通してR&D部門と一緒に不具合を解決したクルマが実際に街中を走っている様子を見た時には、それまでの苦労が報われたような達成感を感じました。
ITベンダー出身者へのアドバイスは?
仕事に対する姿勢を変えること
私は2社のITベンダーで経験を積んだ後、日産に転職しました。日産に転職した理由は、システムインテグレーターとしてではなく、グローバルの事業会社という大きなフィールドで自分の能力と経験を活かしたいと考えたからです。
ITベンダーでは、基本的にクライアントの要件に従ってシステムを作っていきますが、日産のような事業会社では全社レベルの中期計画にもとづいた部門ごとの計画があり、それをブレイクダウンして目標を設定し、自分たちでやるべきプロジェクトを設定します。課題も、それを解決するためのソリューションも自ら探すという点が、ITベンダーとの大きな違いです。ITベンダーでは、どうしてもクライアントの考えや指示を尊重することになるため、ITベンダーから事業会社に転職する場合は、仕事に対する姿勢を大きく変えることが重要かと思います。
日産の情報システム部門でキャリアを積む魅力は?
GX関連の市場価値は高い
GXはESGに関する領域であり、二酸化炭素の排出量実質ゼロを目指している2050年までは間違いなく加速していくと考えられます。過去を振り返ると、90年代から2000年代頃のITバブル期にIT業界で活躍していた人は、現在も市場価値が高くなっています。それと同じように、これから活動が活性化していくGX領域で今のうちから経験を積むことは、将来的に高い市場価値を得られると思います。
また、再びITベンダーとの比較になりますが、日産の情報システム部門では上流から下流まで一人に任される権限の幅が大きく、キャリア形成において価値のある経験が積める環境です。
あなたのキャリアビジョンを教えてください
GX領域のチームを拡大したい
私自身、現在のプロジェクトには着任したばかりであり、分からない部分が多い中でモチベーション高く取り組んでいます。当面の目標は、採用や社内公募を通じてGX領域のチームを拡大すること。クロスファンクショナルな活動が求められる領域のため、ITスキルはもとより、コミュニケーションスキルやPM力も兼ね揃えた人財を育成していきたいです。GX領域はスペシャリストがまだほとんどいないため、私自身も第一人者としてのキャリアを築いていきたいと考えています。
今後も自分の領域を限定することなく、難しいミッションに挑戦し続けていきたいですね。
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