[image] Strategy of IS/IT

Special Talk Session

Strategy
of
IS/IT

  • 氏家 尚之

    氏家 尚之Naoyuki Ujiie

    グローバル情報システム部門
    DX推進本部
    エンタープライズアーキテクチャ部
    主管

    クラウドや新規テクノロジーを活用したモダンアプリケーション開発の促進、開発の標準化、ロードマップ作成、ライフサイクル管理と老朽化アプリケーションのモダナイゼーション、などをグローバルレベルで行っている。

  • 榊原 幸一郎

    榊原 幸一郎Koichiro Sakakibara

    グローバル情報システム部門
    IS/IT戦略企画統括本部
    IS/IT戦略企画統括部
    主管

    グローバル情報システム部門としての中期計画の立案・実行サポート、中期計画を正しく推進するための全体ガバナンスを担当。
    「IS/IT Transformation Program」を立ち上げ、人財の強化、業務オペレーションの効率化、グローバル情報システム部門内でのDXの促進を推進中。

  • 馬場 昭典

    馬場 昭典Akinori Baba

    グローバル情報システム部門
    DX推進本部
    エンタープライズデータサービス部
    部長

    ビッグデータ分析を促進するための基盤構築とデータサービスの運用を担当。社内のあらゆる部署、関係会社などを含めた幅広い領域のデータを収集し、データインフラとして整備するプロジェクトを数年にわたり実行している。

※所属はインタビュー当時の内容です。

ゲームチェンジャーになりうる
情報システム部門の重要性は高まっている

変革期の自動車業界において、ゲームチェンジャーとしての機能を果たしうる情報システム部門の重要性は今までにないほど高まっていますね。

はい。コネクテッド領域が顕著な例であるように、私たち情報システム部門も新しいパートナーとも協業する機会が増えてきています。

システム開発の環境が大きく変わっていく中、グローバルでの開発の標準化に取り組んでいるのが氏家さんのエンタープライズアーキテクチャ部ですね。

はい。システム開発における都市計画のような役割です。個人が自由に建物を建てるとバラバラで複雑な都市になり、結果、コストも非常にかさむため、ガイドラインが必要だということです。

標準化の必要性は多くの企業が感じているとはいえ、膨大なIT資産を適切に管理できている会社は本当に少ないと思います。他社からも高く評価されている取り組みですよね。

先進的な取り組みという点では、馬場さんが取り組んでいるデータ分析の基盤整備はこの数年で大きく拡大していますね。部門を超えたデータ利活用が進んできています。

継続して取り組んできたことが、ようやく芽を出し始めた状況ですね。ビッグデータは重要な部門戦略の一つですが、本当にデータをインフラ化していくのは道のりが長く、継続性が大事な仕事です。

データは新しいビジネスを生み出す可能性すら秘めていますが、「隣の部署がどんなデータを持っているのか分からない」という会社も多いと思います。これも他社より先行している領域だと思います。

一方、それぞれの部署が同じ方向性を向いて変革に取り組めているのは、榊原さんのいる戦略企画統括本部が中期計画を発信し、適切にガバナンスを効かせてくれていることが大きいですね。

そうですね。日産は、情報システム部門が独立しており、かつ独自の中期計画を立案・実行するという事を、業界の中でも早く取り入れた企業だと思います。

インタビューイメージ

自ら企画してソリューションを探し、
エンドツーエンドで携わることができる

「守りのIT」から「攻めのIT」への変革に向けて、情報システム部門が今まで取り組んできたことがつながり始めています。戦略企画統括本部では次の中期計画も検討しているところですが、これからもっと大きなことに挑戦できそうだという期待感を感じています。

本当にそうですね。これまでエンタープライズアーキテクチャ部でも古いアプリをいかに効率的にモダナイズするか、といったことをやってきたので、まさにフェーズが変わってきたと感じています。今、日産のグローバル情報システム部門に参加すれば、これから面白いチャレンジができそうです。

チャレンジできる領域も非常に幅広いですよね。データサービスの領域だけでも、インフラの構築からデータの活用を検討するところまで、様々な要素が含まれています。

その通りですね。日産はグローバルで膨大な数のアプリケーションを持っています。その中にはレガシーなものもあれば、IoTやクラウドなどの新しいテクノロジーもあります。関われるアプリケーションの幅広さ、そしてグローバルという規模感も、なかなか他では経験しがたいと思います。

さらに付け加えれば、自分たちの事業の成長に直接的に貢献できるのは、事業会社の情報システム部門で働く大きな魅力だと思います。馬場さんはITベンダー出身ですが、いかがですか?

たしかにそうですね。自分で課題を見つけてソリューションを探し、インプリメントし、運用までエンドツーエンドで携われるのは事業会社ならではの魅力だと感じます。自分で企画して実行できるのは、とてもやりがいがありますし、キャリアの面でも価値があると思います。

インタビューイメージ

人と人をつないで価値を創出する
アグリゲーターとしての役割が必要に

自動車業界全体が変わっていく中、情報システム部門で求められる人財像も変わってくると思います。

そうですね。これまでのIT人財はテクノロジーの専門性がベースでしたが、社内外の多くの人たちとの接点が増えていく中で、コミュニケーションスキルは今まで以上に重要になると考えられます。

ニーズを汲み取り、様々なスキル、業務知識、バックグラウンドを持つ人たちをつなげることで価値を創出していく、アグリゲーターのような役割が求められますね。トップであるCIOも、情報システム部門の人財は社内コンサルタントを目指すべきだと発信しています。

はい。そしてワークスタイルという意味では、最初から100点満点を目指す従来のやり方よりも、クイックに実行して改善していくアジャイルな姿勢も必要になると思います。

たしかに開発のアプローチも変わっています。昔は一つひとつのアプリケーションをスクラッチで作っていましたが、今はSaaSのソリューションを組み合わせて使うことが増えています。

一つの専門性に特化するより、幅広いテクノロジーの知識を持って組み合わせていくことも重要になりますね。私が見ている範囲でも、生産やサプライチェーンを含めた幅広い領域において、今までにないモダンなアプリケーションの作り方が増えてきています。

自動車業界が変革期にあり、IT人財に求められるものも変わりつつある中、日産という会社は変革や成長に貪欲であり、情報システム部門の変革も実を結びはじめています。これから面白いことにどんどん挑戦できるのは間違いありませんね。

インタビューイメージ